ダイエットやスポーツのために筋力トレーニングをしている、という方は多いと思います。
しかし筋力トレーニングといえば、腹筋や腕立て伏せ、スクワットなどを連想し、背筋を重点的にトレーニングする方は少ないのではないでしょうか。
しかし、背筋を筋力トレーニングで鍛えることは非常にメリットがあります。
そこで、今回は背筋トレーニングと、おすすめの器具についてご紹介します!
背筋の役割と、鍛えるメリットとは?
背筋とは、背中にある筋肉のことを総称です。
背筋を構成する筋肉としては、僧帽筋、広背筋、大円筋、脊中起立筋、菱形筋、などがあります。
近年、この背筋を鍛える方は減少傾向にあり、気づかないうちに、筋力が衰えてきた、ということに成りかねません。
日常的になかなか鍛える時間もないかもしれませんが、以下のような役割やメリットがありますので、意識して筋肉を鍛えるように努力しましょう。
①背筋の役割
筋肉の性質として、縮めることはできても、その筋肉単体で伸ばすことはできません。
緩めることはできます。
したがって、筋肉は必ずペアになっており、片方が縮むときはもう片方が伸び、片方が伸びると片方が縮まないと、筋肉による様々な動きは成り立ちません。
これを筋肉の拮抗作用といいます。
したがって、ある特定の筋肉を鍛えると、体全体のバランスが悪くなり、スムーズな運動ができません。
背筋は、上体の曲げ伸ばしだけでなく、股関節も含めた腰の回転、腕を回す、振る、引くなど、肩関節を中心とした上腕の動きや運動に関与しており、首や肩、お腹の筋肉とつながって拮抗しています。
腹筋や腕立て伏せだけでなく、背筋も鍛えることは非常に重要なのです。
②メリット1 姿勢がよくなる
姿勢をよくするためには、胸を張る必要があります。
そのためには、胸まわりの筋肉を緩めて、背中の筋肉を縮めなければなりません。
背筋を強くすると、より胸を張った姿勢をとることができ、自然と背筋が伸びたよい姿勢をとることができます。
③メリット2 猫背が改善される
猫背は、肩と首に繋がっている背筋の力が弱く、肩や頭が前に垂れ下がってしまっている状態です。
背筋を鍛えることにより、肩や首を後ろに引っ張る力が生まれ、結果として猫背が改善されるのです。
なお、猫背になってしまうそもそもの原因は、デスクワークやスマートフォンの長時間使用、寝るときの姿勢が悪いなど、生活習慣によることがほとんどといっても過言ではありません。
したがって、背筋の筋トレやストレッチをするだけではなく、普段の生活習慣を見直し、常によい姿勢を保つ意識を持ちましょう。
④肩こりの改善につながる
背筋のうち、姿勢が悪いことによって僧帽筋と呼ばれる筋肉の血行障害が起こり、肩こりの原因なるといわれています。
僧帽筋を鍛え、ストレッチも行い、普段の姿勢をよくする事によって血流が良くなり、血行障害が解消されて肩こりが軽減されます。
⑤腰痛の改善につながる
腹筋と背筋のバランスが悪いと、姿勢も悪くなりますが、同時に腰への負担が大きく、腰痛の原因になります。
腹筋を鍛えて腹筋とのバランスを改善すると、姿勢がよくなり、腰痛も改善することが期待されます。
⑤基礎代謝量が上がる(ダイエットにつながる)
基礎代謝量とは、まったく運動をしていなくても、消化や呼吸、新陳代謝などの生命活動により消費されるエネルギー量のことをいいます。
基礎代謝量が大きいほど、食事により摂取したエネルギーを消費して貯めこまないので、体重の減量(ダイエット)につながります。
基礎代謝量を上げるためには、筋肉を大きくするのが効果的です。
背筋は体全体の筋肉のうち、およそ15%程度を占めるため、背筋を鍛えることは、基礎代謝量を増加させ、ダイエット効果も期待できます。
⑥より重いものを持てるようになる
重い荷物などを持つ時、腕力だけが必要と思われるかもしれませんが、実際には背筋も腕の筋力以上に必要といわれています。
特に床にある重い荷物を持ち上げる時は、腕の筋肉よりも、広背筋の方が必要とされています。
重い荷物を多く運んだ後、背中が痛くなった経験はないでしょうか?背筋を鍛えることによって、腕の筋肉との連動により、重い荷物も持ち上げて運ぶことができるようになります。
⑦身体が疲れづらくなる
背筋を鍛えることによって姿勢が良くなり猫背や肩こりが改善されると書きましたが、それらに伴って、疲労も感じづらくなってきます。
上半身だけでなく、下半身への負荷も軽減され、身体全体の疲労感が解消されていきます。
背筋を鍛えるトレーニング(器具なし)
背筋を鍛えるメリットをご理解いただいたと思いますが、それでは実際に背筋を鍛えるトレーニング方法をご紹介したいと思います。
①バックエクステンション
(1)床の上にうつ伏せになる。
(2)両手を背中か後頭部の上で組み、上半身をできるだけ高い位置まで反らして起こす。
※両足のつま先が床から離れないように注意!誰かに足を押さえてもらうなどしてください。
(3)脊柱起立筋を緩めることを意識しながら、上半身をゆっくり下ろす。
(4)(1)~(3)を10回×3セットを目標に繰り返す。
バックエクステンションは、背筋を鍛えるための最も基本的なトレーニングで、ご存じの方も多いかと思います(トレーニング名はご存じない方もおられるかもしれません)。
注意点としては、あまり上半身を反りすぎると、腰を痛める原因になる、ということです。
②リバーススノーエンジェル
(1)床の上にうつ伏せになる。
(2)背中を反らし、腕を真っすぐ伸ばした状態で、両手を後ろから前へ円を描くように出す。
(3)頭上で両手を合わせ再び円を描きながら、今度は前から後ろへ両手を戻す。
※ このとき、背筋全体が緩んでいくのを意識してください。
(4)(1)~(3)を15回×3セットを目標に繰り返す。
このリバーススノーエンジェルは、適度な負荷で背中全体の筋肉に効果のあるトレーニングですので、特に女性にオススメの筋力トレーニングです。
動作が比較的単純で簡単ですので、背筋各部位の伸び縮みを意識しやすいトレーニング方法です。
文字通り、天使になった気分で、空を飛んでいるイメージを床で感じてみてください。
③ヒップリフト
(1)床の上で仰向けになった状態で寝る。
(2)膝を直角に曲げて立て、その状態からお尻をゆっくりと上げる。
※ このとき膝から頭まで一直線になるまで持ち上げましょう
(3)ゆっくりと元に戻す
(4)(1)~(3)を20回×3セットを目標に繰り返す。
ヒップリフトのポイントは、呼吸と姿勢を安定させて行うことです。
腹式呼吸で深呼吸をするようにゆっくり呼吸しながら行い、上半身はできるだけ動かさず、ゆっくり持ち上げ、ゆっくり戻りましょう。
背筋を鍛えるトレーニング(器具あり)
背筋を効率的に鍛えるための、器具を3つご紹介したいと思います。
①チューブ
チューブを使った背筋のトレーニングとして、チューブローイングをご紹介します。
チューブはトレーニング器具の中でも安価ですので、気軽に購入できます。
(1)椅子に、軽く膝を曲げるようにして座る。
(2)チューブを両足のうち片方の足裏に引っ掛けて、両端を持つ。
(3)肩甲骨を寄せるように、ゴムチューブをゆっくり両手で引っ張る。
※ このとき、背中を丸めず、背筋を伸ばすよう注意してください。
(4)限界まで肩甲骨を寄せたら、5秒~10秒程度キープする。
(5)ゆっくりと元に戻す。
(6)(1)~(5)を10回×3セットを目標に繰り返す。
ゴムチューブは安価で、背筋以外の様々な筋力トレーニングにも利用できます。
100円ショップでも売られていますので、ぜひお試しください。
②ダンベル
ダンベルを使った背筋のトレーニングとして、ワンハンドローイングをご紹介します。
ダンベルも比較的安価です。
(1)フラットベンチか、ない場合は椅子を用意する。
(2)ベンチに左手を置き、左膝も乗せる。
※ 膝と肘の置く位置は、ある程度離しましょう。
(3)右手でダンベルを持ち、腕の力を使わず、脇を絞って背筋でゆっくり引き上げる。
(4)限界まで持ち上げたら、5秒~10秒程度キープする。
(5)ゆっくりと元に戻す(ダンベルを降ろす)
(6)(1)~(5)を15回×3セットを目標に繰り返す。
このトレーニングは主に広背筋を鍛えることができ、可動域を最大限拡げることを意識して行ってください。
また、ダンベルも1kg程度でしたら、100円ショップで購入できるほど安価ですので、ぜひ試してください。
③ラットマシン
上の2の器具は安価に入手できますが、高価ではあるものの効果的で背筋トレーニングではスタンダードなマシンをご紹介します。
個人の家庭で購入するのは難しいかもしれませんが、スポーツジムや公共の体育館等に設置されています。
ビハインドネックプルダウンというトレーニングがおすすめです。
(1)ラットマシンの前に立ち、バーを持ったら、安定させるようにして座る。
(2)肩甲骨を寄せるようにして、バーをゆっくり下に向かって引っ張る
(3)限界までバーを引き下げたら、5秒~10秒程度キープする。
(4)ゆっくりと元に戻す(バーを持ち上げる)。
(5)(1)~(4)を15回×3セットを目標に繰り返す。
ラットマシンはスタンダードなトレーニングマシンですので、スポーツ施設にはたいてい設置されています。
コツとしては、腹式呼吸の深呼吸をしながら、ゆっくり行うと、効果的です。
ジムで背筋をトレーニングするのに1番のマシンとは?
※ ワイルドフィット社ホームページより転載
ラットマシンは非常に効果がありますが、定期的にジムへ行くが難しいという方もおられると思います。
そこで、比較的安価で自宅で背筋の効果的なトレーニングができるマシンをご紹介します。
ワイルドフィット マルチステーションです。
自宅でトレーニングできるだけでなく、ご紹介したラットプルだけでなく、スクワットやローイング、スクワット、ベンチプレス、バタフライなど、あらゆる背筋のトレーニングに対応した優れものです!
もちろん、腹筋や腕力、脚力を鍛えるトレーニングもできますので、たいへんオススメです。
ワイルドフィット マルチステーションで検索して、ぜひ検討してください!
ま と め
背筋は他の筋肉と比較して、それほど重要視されていない傾向にありますが、筋力は筋肉のバランスが重要です。
背筋は他の筋肉とのバランスにより、背筋のよい姿勢を保ったり、肩こりや腰痛を防いだりするためにも重要な筋肉となります。
とはいえ、何かと時間に追われて、なかなかトレーニングをする時間を確保できない、という方もおられると思います。
その場合は、今回ご紹介した器具を活用して、効率的な背筋トレーニングをしてください。
姿勢がよくなるだけでなく、ダイエットにもつながりますので、女性にもおすすめです!